幸せな猫の飼い方

 猫の適正な飼い方は浸透していない

猫は野良猫を保護したり知人から譲り受けたりして飼い始める人が多い事から、勉強不足のまま飼い始めるという人も多い印象です。

現在の猫人気を一過性のブームとさせないために、猫の習性を含めた猫の魅力をお伝えします。

適正飼養、終生飼養にて猫との人の幸せな暮らしを定着して欲しい。これが、私の願いです。

猫さんの暮らしをより良いものに!

現代では猫の健康やマナーの面から、室内飼いが推奨されています。

犬の飼い主は75%がマイクロチップなどの身元表示をしているのに対して、猫の飼い主は50%にとどまっています。また現状では20%以上が放し飼いにしているというデータもあります。

猫の放し飼いによって糞尿への苦情が多く寄せられています。周辺住民への迷惑となりトラブルの原因になることがあります。無責任に放し飼いをするのではなく、安全な室内で、猫の習性に適した室内飼養を心がける事が必要です。

環境エンリッチメントで猫さんを幸せにしよう

環境エンリッチメントという言葉をご存知ですか?

エンリッチメントとは豊かにするという意味です。

動物は、飼養されている中では野生で行われている行動をすべてさせてあげる事は不可能です。その中で、少しでも代用し本来の習性に近い事を行わせるという取り組みが、環境エンリッチメントなのです。

 

猫を適正に飼養するための室内チェック

上下運動ができる

猫にとって高い場所や隠れられる場所がある事は、身体的にも精神的にも安心できるものです。キャットタワー、キャットウォークなどを配置し上下運動ができるようにしましょう。

 

 

空調管理

猫が快適な気温は18〜28度。朝方に寒くなる季節にな体調を崩す子も多くなってきます。寒くなると寝ている時間が増え、水分を摂らなくなり脱水気味になりがちです。また、低体温になるなど体調を崩す理由は様々です。

夏場はエアコンなしだと熱中症になる危険があります。ただし、暑さが苦手な子やエアコンが苦手な子など個体差があるので、温度の違う部屋を2つ以上あるのがベスト。

日に当たれる

猫は日光浴が大好きな動物です。また、猫も人間同様に交感神経と副交感神経があります。外出時も朝日を浴びて夜は暗くなるというリズムを崩さないように、雨戸などは閉めず1日の時間の経過を感じられるようにしましょう。

新鮮な飲み水

猫は犬に比べあまり水を飲まない動物ですが、なるべく多く飲んでもらう事によって、病気の予防にもなります。複数の場所に水を用意するとより良いでしょう。

 

 

寝床

猫が少しせまい所を好みます。猫が気に入ってくれる箱や寝床を用意してあげると良いでしょう。また、大きな音や知らない人が来た時に、隠れられる場所を用意してあげましょう。

 

 

爪研ぎ

爪研ぎは猫の本能的な行動の一つ。ストレス発散やマーキングの意味があります。猫が気に入ってくれる爪研ぎを複数置くのが理想です。

 

 

 

猫とのコミュニケーションのコツ

猫は元々警戒心の強い動物です。警戒心を解くまでの時間は個体によって違いがありますが、基本的には危険がない相手と認識してもらう事。

コミュニケーションを成功させるコツは、高いトーンで良い子ねなどと短い言葉で話すことです。また、猫同士では出会った時に鼻と鼻をくっつけて挨拶をします。猫が威嚇や恐怖を感じていないようなら、指を猫の顔の前に差し出してみましょう。猫が鼻をくっつけて匂いをかいだら挨拶は完了です。じっと見つめることはせず、横目でちらりと見る、または見てないふりをします。少しづつ距離を縮めていきましょう。

 猫が頭や身体、お尻、尾を順番に擦り付けてくるのは挨拶や、におい付けです。顔のにおいを嗅いでくるのは個体選別。さらにゴッツンと頭突きをする、濡れた鼻をくっつけてくるのは愛情表現です。

 猫とのコミュニケーションを毎日楽しんでください。